ときの流れに色あせぬもの

緑のふるさと協力隊として山形県小国町(おぐにまち)に移住したわたしの1年間の言の葉。その後「循環する暮らし」をつくっていく道筋。

すべてに意味がある暮らし

 

重かった頭はすっきりして

肩の凝りはどこかへいき

解決出来なかった悩みの種は

もう悩みではなくなった

 

とにかく青空が気持ちよくて

吹く風がうれしい


1週間だけだったけど

栃木県佐野市で有機農業を営む百姓

関塚さんのところに行ってきた

 

関塚農場では、60品目100種類以上の野菜

平飼いの鶏が300羽

春になると田んぼ

その他、地域づくりの一環として

日本酒になる酒米とワインになる山葡萄の栽培

そして醤油、味噌、麹などつくっている

 

関塚農場と書かれた車には

近くの小学校給食で使った天ぷら油を積み

燃料にすることで廃油を再活用する

 

さらに生活排水には極力微生物が

分解できるものしか流さない

土の下30cmには汚れを分解する微生物がいる

30cmより上に排水パイプを通して

生活排水が少しずつ漏れ出す仕組みにすることで

土の中にいる微生物に汚れを分解してもらう

もちろんこの仕組みも手づくり


暮らしの隅々まで意志が行き届いているなとおもった

 

中でもその意志をまるごと実感したのは

家の構造

住む家は専門的な部分以外は

自分たちの手でつくるハーフセルフビルド

木造2階建の母屋に、同じく2階建の研修棟

建てるときに大切にしたのは

土、光、風の存在だそう

 

家の中を通る風がどこから入って

どこから抜けるのかを計算した間取りで

どの方角から太陽の光が差し込むのかまで

計算されている

例えば、東からの太陽光には殺菌効果がある

その位置に台所があると調理台などが殺菌されていい

なにより台所に立つおかあさんが気持ちよく料理できる

 

わたしが使わせてもらった研修棟にも

東からの光が入ってきて

出来るだけ洗濯物をその光にあてたいなとおもって洗濯を干していた

壁は、冬の間自分たちで採ってきた竹を

骨組みにした土壁

 

現代的な家では

断熱をうたうところが多い印象がある

夏の暑い日差しも冬の冷たい風も

出来る限りシャットダウンして

窓を閉めて

家の中のエアコン、加湿器、除湿器で調整する

雨の日は家に湿気が入ってカビてしまうので

窓が開けられない

そんな家とは対照的に

「自然を味方につけるんだよ~」と学さん

空も山も動物も虫もそして目には見えない微生物まで

全ての声を訊いて

それぞれの個性を尊重した生き方だとおもった

 


田植えの補植や苗箱運び

水を調整するタイミングも教えてもらい

畑では、定植、草取り、収穫、出荷

鶏は餌の配分も丁寧に説明してもらって

餌やり水やり卵取り卵磨きなど

少しずつやらせてもらった

鶏の社会も垣間見た

 


畑で収穫のとき

収穫してすぐに生で食べたスナックエンドウ

驚くほどにみずみずしくて甘く

苦手だった春菊は茎の柔らかさと優しい味に

春菊の大ファンになった


ここでは、全てが生きていた

野菜もたまごも米も土もそして人も

 


1週間は短く思えるけど、

案外、体はすごい

体の中のものが総取替えされて

久しぶりに味わった体の軽さと爽快感

短い期間でこんなに変わるんだなと

体も自然の一部であることを思い知らさせた

すごい

 


この経験をひとつの軸に

次に進む安堵とエネルギーになった

こういう根っこのある暮らしをする家族が

いつまでも揺るぎなく暮らしていけるように

自分もそんな暮らしをつくっていけるように

繋いでいけるように

まだまだ書き記したい想いはたくさんあるけど

さいごに一言だけ

 

 

感謝。

 

 

※ 一部説明のニュアンスや詳細が違っているところがあるかもしれません。ご容赦ください。


☆関塚農場

http://sekidukanoujou.com/

 

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