ときの流れに色あせぬもの

緑のふるさと協力隊として山形県小国町(おぐにまち)に移住したわたしの1年間の言の葉。その後「循環する暮らし」をつくっていく道筋。

今日は涼しい、嬉しい。

今日の夜は涼しくて、それだけで嬉しい。明日の朝はちょっと早く起きてミルクティーを飲もう。


今いろいろとよく分からなくて、いろんな人に会って話を訊いたり、高校以来約10年ぶりに小説を読んだり、歌を聴いて歌詞を噛み締めたりしています。

小説では「白のしるし 西加奈子さん」(西加奈子がとってもすきです)の中の「分からないという言葉で責任をとった」という一文。
「わからない」と「責任をとる」って正反対の言葉のようなんだけど、この言葉を読んだとき私の心が震えました。

高校生の頃、あるラジオ局のDJさんが「分からないも立派な答えだよ」と言ってくれたことがあって、そのときにわたしもこんなことが言える人になりたいなぁと思ったのを今でも覚えています。
それからというものわたしは分かりませんとはっきり言えるようになりました。無責任じゃない分かりませんを。

またあるときは、そこに理不尽な空気が漂ったとき、「環境を変える」「そこにいる人の意識を変える」のではなく、「環境を整えてごらん」と言ってくれた人がいました。その言葉が今も胸の中にあって、カッとなったときのわたしをいつものわたしに戻してくれます。

wacciの東京という歌
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ねぇ上手な言葉の
ひとつも言えないけれど
せめて心を
迷いなくひらけるように
無理矢理に励まさず
君と一緒に泣きたくて

♪ 東京 / wacci

何かあるといつも言葉を探して、無理に言葉にして説得してしまうわたしを楽にしてくれる歌詞です。

本当に涼しい。
はやくきんもくせいのにおいしないかなぁと待ち遠しいです。


小中学生の山村留学~小国町(山形)叶水~

わたしが協力隊として1年間お世話になり、今も密かに行っている山形県小国町の叶水地区。

ここには、全校生徒約15人の小中学校があります。人数が少ないからみんなが主役。

大人は車でしか通らない山道を近所の子どもが数人集まって歩いて登校します。

 

わたしが叶水にいた頃、一緒にワラビ採りに行きました。

誰が一番ワラビを採れるのか競争したら、中学生は10kg以上採るし、小学生だって採っているのに、当時23歳のわたしも3kgくらいでした。

脱いだ靴は、いつの間にか揃えられているし、虫とか雪のこともよく知っていて、わたしの知らないことをたくさん教えてくれました。

そしてここでは、集落に住む90歳以上のおじいちゃんと7歳の子どもが一緒に同じ校歌を歌っている。地域とともに年を重ねた小中学校です。

 

そんな地域で、山村留学というプロジェクトが再開されました。

山村留学とは、一定期間地域にホームステイしながら、その地域の小学校に通い、生活をするもの。全国でもいくつかの地域で実施されています。

受け入れには、1.子どもがひとりで留学する「里親方式」と2.家族みんなで移り住む「家族移住方式」があるようです。

詳しくは、リンク先に行って、気軽にお問い合わせしてみてください!

 

小国町東部地区山村留学プロジェクト 『叶水においでよ!』

 

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西土佐大宮(高知)に行ってきました!

 

5月中旬。大学時代から通っていた高知県四万十市にある西土佐大宮地区に行ってきました。ブログを更新したい!と思っていたのにもう、3週間も経ってしまいました...

 

(高知で書いた日記より)

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久々の高知は、日頃の焦りや義務や不安が吹っ飛ぶ2泊3日でした。

軽トラで大宮に向かっているとドア全開の車とすれ違うし、植えたばかりのコメの苗が青々と揺れていました。

 

自分が喋らなければ、何一つ物音がしなくて、透き通る空気に包まれている。

ホントに大宮は、「わたしはこういう人じゃなければいけない。」って言うのを忘れさせてくれる場所です。

何を言っても、間違っていたり、違う意見があれば、はっきりと言ってもらえる。

おかげでわたしは言葉を選ばずに思ったままの言葉でしゃべることができます。

 

協力隊に行く前にここ西土佐大宮に来て泊まらせてもらったお家は、農家民宿を始めているし、地域の拠点「集落活動センター」は建物が大きくなっていて、加工所もできて新しい匂いがするし、こんなに小さな集落がたった2年でこんなに変わるんだ!と驚きでした。

はじめてこの集落に来たとき「小さな政治が動いている」と感じた感覚を思い出しました。

 

夜、外ではカエルがないていて、朝は鳥が目覚まし代わりに鳴いてくれる。

蚊もいて、3箇所くらい刺されました。

 

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今日、暦の上では、芒種(ぼうしゅ)。

芒とはのぎと読み、イネ科の植物籾殻部分のことらしく、昔は芒種を迎える頃に種まきをしていたと歴便覧に記されているそうです。

 

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山形県小国町からブタのお肉が届きました。

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このブログを更新したかったのにもう2週間も経ってしまいました...

3月3週目の週末のことです。

 

協力隊のときからお世話になっている広一さんととも子さんが育てたブタが届きました。

とも子さんは、小国町にいたときのわたしの生活の師匠です。

23才のとき、1人で山形に来て農業を軸に生活しています。

このご家庭では、秋になると子ブタを飼い、大体2月から3月にそのブタをお肉にし1年間、すこしずつ料理に使います。

スーパーのお肉はほとんど買いません。

 

届いたダンボールの中をみると、ブタの骨も入っていてそれを煮て野菜の豚骨スープを作りました!

時間をかけて料理をし、ブタのいのちやそういう暮らしをする人たちに想いを寄せた時間でした。

食べたときには、いつものように目をつむって味わったんだけど、脂身が甘くて身体に染みていく感じがしました。

食べることって不思議です。

ちゃんといのちがめぐりめぐっている。

毎日の忙しさに感情を盗まれず「少しでも多くの人が、ご飯を食べたときにそのいのちが体の中に染みていく感覚を感じられますように。」

そう思った夕食でした。

 

p.s.今年のブタさんの名前は、ナナシだそうです。(名前はつけていないと聞きました)

 

 

 

ある日の朝(カカオと塩辛編)

 

3/20 金曜日の朝のこと。
その日の朝はとびきりおもしろい朝でした。
 
お母さんがいつものように起きてきておにぎりを握ってくれました。
母「この具おいしいんだよ...ほら、かかお。」
 
私「かかお?おにぎりにチョコ?」
と疑問に思って見に行くと..「おかか」でした。
 
その横でお父さんは、朝から塩辛を食べています。
お父さんに、「今日も塩辛なの?」と聞くと...
父「うん、食べすぎてタコになっちゃうよ〜間違えた、いかだ。」と言っていました。
 
家を出る時間になったのでお父さんに、
私「じゃあ、行ってくるね!たこ。」
と言うと、
父「たこじゃないよ、いかだよ。」
と言っていました。
 
まったく意味がわからない会話なのだけど、実家に住めて幸せだなと思った朝でした。
 

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なまいき論


こんばんは。

この週末は久しぶりに大切な言葉をプレゼントしてもらいました。

地域と生活とビジネスとお金と..いろんなことを考えてながらデザインをしなければならないのだけれど、結局は...
「誰かに喜んでもらうため」に過ぎなくて。
でも自分の生活があってご飯を食べなくちゃ生きていけなくて、年金を払わなければ老後生きていけないかもしれない。
考えることがたくさんあって頭がごちゃごちゃなんだけど、やっぱり誰かに喜んでもらって自分も嬉しくなれば、それでいい。
それがシンプルな答えで。

そんなことをむやみに伝えても所詮理想だとか、考えが甘いとか、生活していくためにお金をもらわなければとか。それは分かっているし、デザインをしてお金はもらうんだけど、その根底には前提となる伝わりにくい想いがある。

その想いを体の中から分かっている人と話すことができました。
「話せばその人の心には届くんだ」とほっとして安心してうれしくて。

その人からは、
「もし、自分が住んでいない土地からデザインの依頼が来たら、そこに少し住ませてもらってからデザインをしたい。」
という言葉をもらいました。
うんうん、そうだよそうだよと心があたたかくなりました。
そう思ってデザインをやっている人がいて本当によかった。

わたしもできることならバックパックを背負いながらそんな風にしたい。効率を考え、人件費という概念を取り入れるなら大赤字なんだけど、そうするのが一番理にかなっている。

まだまだデザインのデの字もできないわたしが生意気を言っていますが、この想い消さないように、大切に大切にあたためて明日からまたがんばります!





置賜にいってきた!02(長井市編)

 

-nagai-

 

この日は、食と農のドキュメンタリー上映会のスタッフでした。

メンバーのみなさんが久しぶりに温かく迎えてくれました。

「メイクが東京っぽくなったね!笑」と茶化されました!笑

雪に埋まっていたあまーいキャベツや売りに出ていない朝取れのブロッコリーなど置賜の土から生まれた食べ物をたくさん食べました。

【雪の下のあまーいキャベツ】と【売りにでない朝取れブロッコリー

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【上映会の様子(作品:ある精肉店のはなし)】

f:id:oguni-miho:20150221101051j:plainこのイベントは、食と農に関わるドキュメンタリーを観て、思ったことを話して、食について考えていくイベントでした。

事実を知ることもとても大切です。

加えてわたしにとっては、雪のしたのあまいキャベツやなんとも言えない方言をしゃべる大好きな仲間の野菜を食べること、そしてなるべくそういう食生活を送ろう、食べ物を作っている人のところに遊びに行こうと思うことが一番簡単で楽しくておいしいアクションのひとつです。

この会の打上げ・反省会の食べ物もスタッフのみなさんの野菜やお米や味噌や豆腐が並びました。

お金で準備するオードブルや高級なレストランに連れて行かれるよりも、

会があると、自分がこの土地の土で育てたものを持ってこれることは、

最高にかっこいい生き方だなといつも惚れ惚れしています。

...置賜のメンバーにとっては、あたりまえの光景なのだけれど。

 

1年前の同じイベントで、この会の先頭に立つスーパーおとうさんがカレーを差し入れしてくれました。

朝ごはんを食べずにバタバタ家を出ただらしないわたしは、そのカレーを食べたときにカラダがよろこぶ感覚におそわれました!!!

 カラダが見違えるほど元気になって喜んでいてどうしようもない感覚でした。

そういう実感が人を動かすんだと思います。

来年も再来年も続いてほしいイベントメンバーです。

そして、続けることが苦手なわたしもできれば、おかあさんになっても子どもを連れて参加させてもらいたいメンバーです。

 

反省会から朝にかけては、小学生から8ヶ月のお友達とたくさん遊び、たくさんのことを教えてもらいました。

必死に日本中を探しても見つけ出せないであろうすてきな若いおとうさん、おかあさんと過ごし、自分を見直しました。

帰りがけには、念願の「和尚の干し柿」を手に入れました。

昨年の冬に初めて食べて以来忘れられない干し柿です。

粉のふき具合が芸術のような干し柿が横浜でもたべられます。

そして、和尚さんと再会を約束しました。

 

 

【和尚の干し柿】と【メンバー8世帯自家製みそ】

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-matome-

小国や長井、新潟で会った一人ひとりがとっても濃くて、わたしの周りが豊かさで満ちてくる感覚に驚きました。

想いを言葉にしても伝わらないことが最近多くあります。

育ってきた環境や経験してきた事柄でこんなにもたくさんの考え方があることは驚くと同時にすてきなことです。

でも、伝わらないばかりではたまに虚しくなります。

人数が少なくてもちゃんと伝えれば心の深いところで受け止めてくれる人がいる。

そう思いながらの2泊3日でした。

立場を守る言葉や社交辞令の言葉ではなくて、相手の心が自分の心のなかに入ってくるような「ありがとさま」や「おしょうしな」はやっぱりあったかいです。

 

おわり